まるた

友人から、可杯（べくはい）を頂いた。

小林家の家屋ご案内の際は、必ずこの器を使ってパフォーマンスをする。

小林家に昔からあるものより、幾分大きめ。

ここに、お酒をいれて飲むのだが天狗ちゃんの鼻が邪魔をして、全部飲み干さなければ下には置けないという、ちょっと、そそられるような、怖いような盃である。

しかも、天狗ちゃんの鼻にもたっぷり酒が入るので、こりゃ「一気に」というのもツライ。

昔の酒飲みは、なかなかシャレている。

友人は、これを見つけて「小林家に＊＊」と、思ってくれたんだなあ・・・。

と、想いながら天狗ちゃんをシゲシゲ眺めていたら、天狗ちゃんがジッとまるたを見つめてくる・・。

何かを語り掛けているようだ。

天狗ちゃんにそっと聞いてみた。

「どした？」

「早く、酒を入れてくれ・・・。」

そんな目で、私を見ないで・・・・。( ;∀;)